国民健康保険料を滞納するとどうなる?

国民健康保険料を滞納するとどうなる?

日本では必ず何らかの保険に加入しなければなりません。会社を退職したり、自営業になったり、扶養からはずれた場合は国民健康保険に入らなければなりません。健康で病院にかからないという人でも必ず国民健康保険に入る必要があります。

 

そして当然、国民健康保険に入る以上は保険料を収める必要があります。
しかし中には、収入や借金の関係で国民健康保険料の支払いが難しいという人もいることでしょう。では、この保険料を払わずにいた場合どのようなことが起こるのでしょうか?

 

 

国民健康保険

日本は国民皆保険制度をとっているため、退職して会社の保険から外れた場合、国民健康保険に加入しなければなりません。

 

国民健康保険料は平均して年8.3万円で、金額は地域・年収・年齢によって異なります。
病院に通っているのであれば3割負担で済む国民健康保険の存在はありがたいのですが、全く使わない人にとっては大きな出費になります。

 

保険への加入が義務である以上、国民健康保険料を払うのも義務です。たとえ保険を使わない人でも、日本で暮らす以上保険料を支払わなければなりません。税金と同じように、支払いが滞るとそれ相応のペナルティが課されることとなります。

 

滞納期間が一定を過ぎると、給与や預金が差し押さえされることもあります。相手は役所ですから、給与口座を探すのも預金口座を探すのも簡単です。
差し押さえの際は、滞納分だけでなく延滞金や滞納処分費も合計して差し押さえされます。滞納が続けば続くほど差し押さえ金額が膨らんでいくため、早めに対策を取ることが必要になります。

 

 

国民健康保険料の滞納と保険証

国民健康保険料の滞納中に、病気や怪我で病院にかかることになった場合はどうなるのでしょうか。

 

国民健康保険の保険証は1年毎の更新となりますが、滞納した場合は更新時期が来ても普通の保険証はもらえません。滞納中の保険証がどのようなものになるかについては、滞納期間によって異なります。

 

 

滞納1年未満

滞納1年未満の場合「短期被保険者証」という保険証になります。
保険証の有効期限は3〜4ヶ月で、更新の度に役所に取りに行くことになります。
更新の度に役所の人と顔を合わせることになりますから、当然その度に延滞金を支払うように催促されます。

 

普通の保険証から短期被保険者証に変わるタイミングは自治体によって異なります。
督促状を送り、納付がなかった場合に短期被保険者証になる場合や、納付期限を過ぎたら短期被保険者証に変わるという場合もあります。

 

また、保険証が短期のものであるということは見れば分かります。病院の受付で提示したり、身分証として保険証を見せたりすれば、それだけで保険料を滞納しているということが相手に知られてしまいます。

 

 

滞納1年以上1年6ヶ月未満

滞納が1年を超えると、保険証ではなく「被保険者資格証明書」という証明書になります。これは国民健康保険の加入者であることを証明するだけのもので、保険証ではありません。

 

具体的に何が違うのかというと、病院に行っても医療費の軽減がありません。全額負担になります。負担分のうちの7割は滞納金額の返済に当てられます。
また、滞納分を納めたのち還付請求すれば、負担金額のうち7割については還付が受けられます。

 

 

滞納1年6ヶ月以上

滞納が1年半を超えると証明書さえもらえなくなります。当然医療費は全額負担です。

 

役所からの催促も頻繁になり、そのまま対応せずにいた場合は差し押さえを受けることになります。
まずは納付の催促や相談の連絡から始まり、その後差し押さえ予告、最終的には差し押さえ実行となります。差し押さえは預金や給与に対して行われます。

 

 

滞納するとどんなことが起こる?

●滞納後の流れ
国民健康保険料の納付期限を過ぎ、滞納するとハガキなどで通知が届きます。最初は「忘れていませんか?」程度のニュアンスで、さほど厳しいものではありません。しかし、ハガキには延滞が続くと最終的には差し押さえもおこりえるということも書かれています。

 

最初のお知らせを無視していると、またハガキや電話などで支払いの催促が来るようになります。延滞が続くと役所で相談にのります、という話になり、それも無視すると今度は職員が自宅までやってきます。
それでもなにもしないでいると、いよいよ差し押さえとなります。

 

 

 

●延滞金
国民健康保険料を滞納すると延滞金が発生します。
延滞金は、納期限の翌日から1ヶ月を経過するまでは年2.7%、納期限の翌日から1ヶ月以上経過して以降は年9.0%となります。

 

 

 

●差し押さえ
延滞したまま放置を続けると差し押さえ処分となります。

 

差し押さえの対象となるのは給与と預金です。不動産や所持品などは差し押さえにコストが掛かりすぎるため差し押さえの対象にはなりにくいです。
差し押さえによって給与や預金の全てが抑えられるということはありません。4分の1程度を条件に差し押さえとなることが多いです。

 

カードローンなどの返済が滞り差し押さえになった場合は、まず簡易裁判所を通してから差し押さえ実行となりますが、国民健康保険料の差し押さえは裁判所を通しません。
差し押さえを決めてから実行までに必要なプロセスが圧倒的に少ないため、差し押さえが決まったらすぐに実行できます。差し押さえの予告が届いたらいつ差し押さえが行われておかしくありません。

 

国民健康保険料の時効は?

 

国民健康保険料の時効

国民健康保険料は2年、保険税は3年か5年で時効になります。

 

しかし、役所の連絡は1ヶ月滞納した時点から始まり、その後もこまめな連絡が続くため時効が来るまで待つのは不可能です。
そもそも1年半経過した時点で差し押さえが可能となるため、時効となる前に必ず保険料を納めることになります。

 

 

引っ越しや結婚をした場合はどうなる?

引っ越しして別の地域に移ったり、結婚により名字や住む場所が変わったりしても滞納の事実に変化はありません。
転居の手続きも結婚の手続きも役所ですることになりますから、知られないうちに逃げてしまうこともできません。

 

国民健康保険料を滞納していた場合、扶養に入るときなど配偶者に迷惑がかかる可能性が高いです。早めの解決を図るようにしましょう。

 

 

離婚後の国民健康保険料は世帯主に

国民健康保険は世帯単位で管理され、保険料の請求は世帯主に対して行われます。離婚前に滞納があった場合、請求などの連絡は世帯主に対して行われます。

 

 

早めに相談することが大切

国民健康保険料の滞納を続けると面倒なことになります。早めに払うことが大切です。
しかし、だからといってすぐに払えるものではないでしょう。経済的な問題や、怪我や病気などで支払いが難しいケースも考えられます。

 

国民健康保険料は、経済状況や健康状況などに応じて減額や減免などの対応を行っています。滞納分の分割払いなども可能です。状況に応じて対応してくれるため、差し押さえとなる前に相談に行くようにしましょう。

 

国民健康保険料の減免については、自治体によって対応が異なります。
減免理由の例をいくつかあげてみます。

・離職した場合
・所得の減少
・障碍などの理由がある
・災害などの理由がある
・低所得世帯
・社会保険の被扶養者だった場合

 

自分の住んでいる自治体の減免理由については、ホームページを見たり問い合わせたりして確認してください。

 

相談に行く際は、ただ単に「お金がなくて払えない」ではなく具体的に理由を話すようにしましょう。就職がうまく行かず、収入がない状態が続いている、借金の返済があるなど、払えない理由をきちんと説明しましょう。

 

説明の際に、証拠となるものを持っていくのも有効です。収入状況が分かるような給与明細や、家計の状況が分かる家計簿などです。実際の経済状況が分かるように説明することで、説得しやすくなります。

 

ただし、同情を引くために嘘をついたり大げさな説明をしたりするのは避けましょう。嘘がバレてしまった場合、もう相談にのってもらえなくなってしまいます。

 

 

分割払いにして納めるのもアリ

滞納を解消するにしても、全てを一括で返すのは難しいでしょう。毎月一定額を決め、少しずつ納めていくのが現実的なラインでしょう。

 

毎月最低5000円などのように確実に払える金額を提示し、分割払いできないか担当者に確認してみましょう。現在の経済状況を考え、無理がなく返済されそうだと判断されれば分割による返済が可能になります。

 

 

扶養家族にするのもアリ

国民健康保険料が払えない場合、家族の扶養に入るのも一つの手段です。
扶養に入れるのは同一世帯の3親等以内です。同じ世帯であれば良いため、同居である必要はありません。

 

扶養に入るための条件は、同居の場合自身の年収が130未満で扶養家族の年収の2分の1未満であることです。同居出ない場合、扶養家族からの援助金額が自身の年収を上回っていることが条件です。

 

 

国民健康保険料の免除

国民健康保険には必ず入らなければならず、保険料も納めなければならないのですが、経済的な条件などで納めるのが困難な場合は軽減・免除されることがあります。
分割払いも扶養に入るのも難しく、どうしても国民健康保険料が納められないという場合、免除や軽減についても確認しましょう。

 

免除となる条件は以下の通りです。

・生活保護を受けている
・障害基礎年金、もしくは障害厚生年金1、2級の受給者
・服役中

これらの条件を満たし、国民健康保険料を納めるのが困難だという場合、全額免除となります。

 

 

自己破産した場合は?

自己破産をした場合も、税金や保険料の納付は免除になりません。自己破産となった場合も国民健康保険料は払わなければなりません。

 

 

国民健康保険料の滞納は早めの解消を

国民健康保険料を払わずにいると催促されるだけでなく、最終的には差し押さえが行われる可能性があります。面倒なことになる前に、早めに対処しましょう。

 

差し押さえに至る前には、何度も相談できるタイミングがあります。返済が困難な場合、分割払いにしたり、軽減してもらったりすることも可能です。
早いうちに役所を訪れ、滞納をどう解決するか相談しましょう。